日々の移ろい

2025.12.23
活動報告

有機黒糖を国内生産へ! 「種子島事業所」設立への軌跡 ~事業所設立への道のりと、サトウキビの新たな可能性~

リスペクトの安本です。

 

リスペクトも今年最後の営業週を迎え、残すは棚卸しと大掃除のみとなりました!
例年のごとく目まぐるしい日々を過ごし、あっと言う間の年末を迎えております。

今年を振り返れば、新たな海外企業との取り引き開始に始まり、自社原料栽培に向けた高島農場の始動など、
私たちにとって、翌年への期待が高まる躍動の一年となりました。

 

そして、その締めくくりとなる今年最後の記事は、
前回に続き、「種子島事業所」設立への軌跡 その後について。


リスペクトと南種子町との協力関係に深まりが見える中、
有機黒糖の試作過程で見えた、サトウキビの新たな可能性とは?
そして、事業所設立への後押しと、その道のりについてお伝えしたいと思います!

■有機黒糖の試作で見えた、新たな可能性

2

初めての種子島訪問をきっかけとして、南種子町による滋賀への視察訪問へと繫がり、

私たちの国産有機黒糖生産への想いは、より一層強く揺るぎないものへとなっていきました。

 

ちょうど同じころ、初めて種子島を訪れた時に購入したサトウキビの搾り汁を、

有機黒糖作りへの足がかりとして、独自に試作テストを進めることにしました。

しかし、ここで得られた思わぬ結果により、サトウキビの新たな可能性を見出すことになるのです。

 

まず取り掛かったのが、黒糖作りの工程である搾り汁の濃縮です。

私たちは高島工場の貯蔵タンクや機械設備でお世話になっていた、福岡の「本村製作所」へ、減圧濃縮機による搾り汁の濃縮をお願いすることにしました。

 

そして、この過程でできた濃縮エキスの栄養成分を分析してみたところ、

黒糖と比べて、ビタミンやアミノ酸、ミネラル分などのサトウキビ本来の栄養価が豊富であることが分かったのです。

3

一般的な黒糖は、高温の釜で煮詰めて作ることにより、熱に弱いビタミンやアミノ酸が損なわれ、

さらに、この工程で不純物を分離・除去するための「石灰」が添加さることにより、

不純物と一緒にタンパク質や、特定のミネラル分も失われていました。

 

この試作テストでは、無添加の搾り汁を「減圧濃縮」による60℃前後の低い温度で濃縮したことにより、

ビタミンやアミノ酸をはじめ、カリウムやケイ素(美容・抗酸化作用)といったミネラル分が失われることなく、サトウキビ本来のバランスの取れた栄養成分を残すことができたのです。

 

ここで得られたこの濃縮エキスの結果は、サトウキビが持つ可能性を改めて見直すきっかけとなりました。

 

また、このような製法と品質を合わせ持つ製品は他にないということも分かり、

有機黒糖作りに先がけて、この「濃縮エキス」の製品化を進めたいと考えるようになりました。

 

これこそが、後に「種子島事業所」から生み出される、唯一無二の主力製品の原点でした。

■再び種子島へ 「ご縁」 による事業進展への後押し

4

2022年5月、視察のお礼とご挨拶のため再び種子島を訪れ、

私たちは小園町長直々のお出迎えをいただき、改めて表敬訪問をさせて頂くことになりました。

 

しかし、この時点ではまだ種子島での具体的な展望が見えていたわけではありません。

それでも「まずは実際にサトウキビを搾り、加工できる場所がないか」と考え、

役場担当者の方へ、空いている倉庫や工場の情報提供をお願いすることにしました。

 

すると翌月、役場担当者の方から、

作業倉庫2棟が併設された、ご自宅を売りに出されている方がおられます」と、ご連絡を頂いたのです。

早速、私たちはその建物の確認と家主さんへのご挨拶に伺うため、種子島へ向かうことにしました。

5

そこは、元々奈良から移住され、タバコ葉の栽培をされていた方の「ご自宅と2棟の作業倉庫」でした。

この倉庫は、タバコ葉の乾燥や加工に使われていたようで、サトウキビの加工にも十分応用ができ、従業員が常駐して作業ができる環境として、申し分のない条件が揃っていたのです。

 

私たちは、家主さんへ種子島での事業展望や想いをお伝えし、その後も訪問を重ねる中で、土地と建物の購入を快くご承諾して頂くことができました。

 

こうして南種子町の手厚いご協力と後押しによって、家主さんとのご縁を頂き、現在の「種子島事業所」となる、新しい製造拠点を確保することができたのです。

■有機栽培への壁を乗り越えて

6

このようにして、事業の基盤となる製造拠点を確保できたものの、

原料となる有機サトウキビの生産や調達の見通しは立たず、大きな壁に直面していました。

 

種子島のサトウキビ生産は、その多くが農薬と化学肥料を用いた慣行栽培によるもので、

島全体で、大規模且つ徹底した効率化が図られており、有機栽培に取り組む生産者さんはほとんどおられないのが現実でした。

 

私たちは、「このような状況でも、どうにかこの取り組みを理解して頂ける生産者さんを探したい」、

その想いで役場へ協力をお願いし、地元の生産者の方々に向けた説明会を開催することにしました。

 

2022年10月、役場の呼びかけにより約20名のサトウキビ生産者の方々にお集まり頂き、

これからの種子島での事業展望や想いをお伝えし、有機栽培へのご協力をお願いしましたが、その場で賛同し、協力を申し出てくださる方は一人もおられなかったのです。

 

この時私たちは、慣行栽培が主流の生産環境において、

有機栽培に取り組むことへの壁がいかに高いかということを、目の当たりにすることになりました。

 

しかし、その後途方に暮れていた私たちに対し、

この状況を何とかしたいと、役場担当者の方が熱心な働きかけを続けてくださった結果、

そのご親戚にあたる2名の方が、この取り組みにご理解を頂き協力を申し出てくださったのです。

 

さらに、鹿児島有機生産組合からのご紹介で、会員の方1名が加わり、有機サトウキビ栽培にご協力して頂けることになりました。

 

このようにして、最も困難と思われていた原料栽培についても大きな進展を得ることができたのです。

7

初めて種子島を訪れてからここへ至るまで、

「オーギ」という言葉に繋がれた、不思議なご縁に導かれるかのように、数々の出来事を乗り越えてくることができました。

 

国産有機黒糖の生産にかける私たちの想いは、南種子町役場をはじめ、これまで出会ってきた多くの方々の深いご理解と、

その力強い後押しのおかげで、ついに種子島での事業展開が実現することになったのです。

 

ここで頂いた多くの想いを追い風に受け、いよいよ新たな製造拠点となる、

「種子島事業所」の設立へと踏み出すことになります。

 

 

続く