日々の移ろい
一枚のメモが運んできたご縁 ―― ㈱エコファーム山口を訪ねて
2026年3月26日、山口県にある㈱エコファーム山口さんのほ場へ出張してきました。
この訪問のきっかけは、2ヶ月前に突然手元に回ってきた一枚のメモでした。
そのメモをきっかけに感じたこと、考えたことを、この場でご紹介したいと思います。
■ 突然のメモから始まった出会い
2026年1月末のことです。電話があったことを知らせる1枚のメモが、突然手元に回ってきました。
「有機ニンジンを買って欲しい」
差出人は、㈱エコファーム山口。まったく面識のない会社でした。遠方からの問い合わせということもあり、正直なところ最初は戸惑いました。なぜ、うちに?どういう経緯で?
気になって、すぐに折り返しの電話をしました。話を聞くと、大きくなりすぎて市場に出荷できない有機ニンジンを引き取ってほしいとのこと。そしてもう一つ、気になっていた「なぜうちに?」という疑問も、その電話で解けました。
有機認証協会の方が「この会社なら買ってくれる」と紹介してくださっていたのです。
手元に届いた一枚のメモの裏に、そんなつながりがありました。
■ 困っている生産者の力になりたい
電話口でその話を聞いたとき、引き受けようとすぐに思いました。
困っている生産者さんの役に立ちたい、というのは会社の方針でもあります。
ただそれ以上に、ものづくりに携わる者として、自然と湧いてくる感情でもありました。
当社でも自社で有機野菜を栽培した経験があり、有機農家さんとも定期的に話をする機会があります。
だからこそ、精魂込めて育てたものが、サイズが大きすぎるという理由だけで商品にならない悔しさや無念さは、想像するだけで胸に刺さります。
幸い、価格・納品スケジュール・数量はすべて希望通りで折り合うことができ、一緒に取り組むことが決まりました。
■ 率直な言葉が、訪問を決めた
取引が始まってまもない2月24日、エコファーム山口の社長と担当の方が、わざわざ挨拶とお礼のために来てくださいました。
そこで話してくださったのは、有機農業の難しさや、これから挑戦していきたいことについて、率直な思いでした!
飾ることなく、現状を打ち明けてくださったその言葉がずっと頭に残り、何か力になれることがあるはずだという思いが強くなっていきました。それが、3月26日の訪問につながりました。
■ 整備の行き届いた、美しいほ場
市内から少し外れた山間部に、エコファーム山口さんのほ場はありました。
広大な敷地に、整然と広がる有機ほ場。耕耘も除草も丁寧に行き届いていて、見渡したとき思わず「美しい」と感じました。
実はエコファーム山口さんの本業は、廃棄物の収集・運搬・処理です。
回収した食品残渣の一部を専用設備で肥料化し、自社のほ場で活用する。廃棄をそのまま土の恵みに変えるサイクルが、このほ場を支えていました。
丁寧に管理されたほ場の美しさには、そうした背景があったのだと、帰り道に改めて思いました。
ちなみに今回引き取ったニンジンは、スーパーに並ぶものの1.5〜2倍ほどの大きさ。規格外とはいえ、しっかりと土の力を受けた立派な野菜でした。
■ お互いの課題を補い合うパートナーへ
当社では今、気候変動による原料野菜の調達不安定化への対応を進めています。
品質の低下や量の不足が一部で発生しており、栽培地域・調達量の分散が急務になっています。
一方、エコファーム山口さんには、新しい品種栽培への挑戦や、農業を収益として成り立たせていくという課題があります。
立場は違いますが、向いている方向は重なっています。
当社にとっては調達の安定化パートナーとして、エコファーム山口さんにとっては儲かる農業への道筋を一緒に考えるパートナーとして。
お互いの課題を補い合える関係を、これから少しずつ築いていきたいと思っています。
■ 諦めずにいれば、ご縁はやってくる
振り返ると、すべての始まりは一枚のメモでした。
見知らぬ会社からの突然の依頼が、こんなにも豊かな出会いにつながるとは思っていませんでした。
問題に向き合い、諦めずに動いていれば、良い出会いやご縁は必ず訪れる。
今回の経験を通じて、改めてそう感じています。