日々の移ろい
有機黒糖を国内生産へ! 「種子島事業所」設立への軌跡 ~ 事業所ついに完成へ ~
リスペクトの安本です。
昨年の目まぐるしい日々が昨日のことのようですが、おかげさまでリスペクトも新たな一年をスタートすることができました。
従業員一同、新鮮な気持ちで毎日の業務に取り組んでいます。
今年からは植物発酵エキスの海外展開へ向けた動きも本格的にはじまり、重要な局面を迎えます。
それに備えるべく、生産体制を見直しより強化していく、今年もそんな挑戦の一年になりそうです。
今年最初の記事は、
「種子島事業所」設立への軌跡 いよいよ完成する事業所について
わずか半年の短い準備期間で始まった改修工事。
大型機械設備の手配では、納期絶望と思える状況に直面するのですが、この危機をどう乗り切れたのか。
事業所完成までの奔走の様子をご紹介します。
■完成予定までわずか半年 改修工事開始
私たちは事前に行っていた、サトウキビ搾り汁の「濃縮」テストでの結果に大きな可能性を感じ、
種子島で事業をはじめることができれば、この「濃縮エキス」を製造して
製品化するということを既に決めていました。
2022年11月、この製造の事業計画を立て、
社内で改修プランの作成を進めていくなかで厳しい状況が見え始めます。
その他予定との兼ね合いで、事業所の完成を翌年の7月に間に合わせる必要が出てきたのです。
「完成に間に合うか?」という不安を抱きつつも、
地元南種子町の「山中建築」さんへ改修工事全般をお願いし、
12月、種子島事業所の改修工事が慌ただしくスタートしました。
■納期絶望の可能性 機械設備の調達危機
サトウキビ濃縮エキスの製造は、大きく分けて以下の4つの工程。
それぞれの工程で目的に応じた機械設備が必要になります。
1. 圧搾: サトウキビを搾る 「圧搾機」
2. 濾過・保管: 絞り汁を濾過器で濾し、一時冷蔵保管 「大型冷蔵庫」
3. 殺菌加温: 絞り汁を加熱 「減圧濃縮機」
4. 濃縮: 加熱殺菌後の搾り汁を低温濃縮 「減圧濃縮機」 (充填して完成)
ここで必要になる「圧搾機」、「大型冷蔵庫」、「減圧濃縮機」は製造に不可欠な設備で、
事業所完成までにこれらの導入設置も間に合わせないといけません。
そして、大型冷蔵庫については、2月中に設置して稼働させないといけない事情もありました。
しかし、この「減圧濃縮機」と「大型冷蔵庫」の手配では、
急遽発注先を変更して探し直さないといけなくなったのですが、
そんな納期絶望の危機を救ってくれたのは、ここでも現れた「力強い味方」でした。
■老舗食品機械メーカーとの出会い
一つ目の危機は、「減圧濃縮機」の発注を決めかけていたところ。
しかし、当初話を進めていたメーカーの見積りが大幅な予算オーバーとなり、
時間がない中、やむを得ず別の発注先を探すことになったのです。
作製期間を考えると危機的な状況に。
そして何とか探し出した数社の中で、
唯一「7月の完成に間に合わせます」と応えて頂けたのが、奈良の「品川工業所」さんでした。
「ここに頼むしかない!」と、すがる思いで打ち合わせを進めます。
ところが、ここでとても助かったのが、釜の容量サイズで選べるセミオーダー式の製造が可能だったため、
作製期間の短縮に加え、見積りも半分ほどに抑えることができたのです。
1月 メーカーでの濃縮テスト確認を経て、2月初旬には無事発注。
最大の局面を、ここでもご縁で乗り越えることができました。
■重なる危機 地元滋賀からまさかの救世主
「大型冷蔵庫」の設置も、待ったなしの状況でした。
設計上、改修工事の最初に設置を終える必要があったことに加え、
3月には収穫された3トンのサトウキビの納入を控えていたからです。
サトウキビの絞り汁は非常に傷みが早く、2月中の冷蔵庫稼働が絶対条件でした。
しかし、この時は丁度物流が停滞していたコロナ禍の真っただ中。
事前に予定していた種子島の業者さんからは「納期は早くても半年先になる」との連絡が入り、
またしても窮地に立たされます。
しかし、この危機を救ってくださったのが、
創業当初から工場の冷蔵冷凍設備でお世話になっていた、
滋賀の「株式会社エコプラン」さんの 福本社長です。
1月土壇場での、2月中の種子島大型冷蔵庫設置というあまりに無理なお願いにも関わらず、
「せっかくの機会ですし、思い出作りにぜひ行かせて頂きます」と、快諾してくださいました。
遠く離れた種子島での難題でしたが、
長年信頼を置く地元滋賀の設備業者さんの尽力により、
約束通り2月中に設置工事が完了。
文字通り、絶体絶命のピンチを救っていただいたのです。
■「ご縁」から「絆」へ 南種子町との立地協定調印式
3月13日 改修工事も佳境を迎え、完成が目前に迫るなか、
南種子町とリスペクトの間で「立地協定調印式」が執り行われました。
相互協力によって地域の活性化を目指すこの協定は、
私たちの取り組みへの信頼と高い期待の表れであり、私たちにとって重要な一歩となります。
振り返れば、種子島との出会いはつい最近のこと。
鹿児島有機生産組合の調印式立会いのために初めて種子島を訪れ、
その時は訪問者に過ぎなかった私たちが、今度は自分たちの手で正式な協力関係を結ぶことになったのです。
種子島への県外企業の進出は、実に26年ぶりとのこと。
南種子町からの熱い期待を肌で感じながら、
「この事業を何としても軌道に乗せ、必ず種子島への恩返しに繋げる」と、
私たちは決意を新たにしました。
■「種子島事業所」完成へ これからの挑戦
2023年6月、最後に残った「減圧濃縮機」の納品・設置工事を無事に終え、
ついに「種子島事業所」の改修工事が完了しました。
そして2023年7月14日、事業所の完成を祝う竣工式を執り行いました。
真夏の非常に暑い日でしたが、南種子町役場の方々をはじめ、
島内外から23名の来賓にお越しいただき、今後の安全と繁栄を共に祈念することができました。
初めて種子島を訪れてから、わずか570日。
あの時には、今日という日を想像することすらできませんでした。
これまでに出会い、支えて頂いた多くの方々とのご縁が実を結んで、
滋賀から遠く離れたこの種子島で、新たな事業のスタートの日を迎えることができました。
しかし、ここからが本当のはじまりです。
これまで抱いてきた「国産有機黒糖」生産への想いを確かな形へと変え、
種子島の将来へ貢献していくこと、それが私たちの使命であり大きな挑戦です。
そして、新しい発見となった「サトウキビ濃縮エキス」の大きな可能性。
他には類のないこの製品の量産を目指して、いよいよ完成した種子島事業所が動き出します。