活動レポート
高島農場、初めての収穫。──マクワウリとシソが実った、手探りの一年
昨年の暮れ、この場所はまだ何もない冬の田んぼでした。
トラクターが初めて野菜残渣を運び込み、「いつかここが緑に覆われる日が来る」と書いたのが、ちょうど昨年12月のこと。
あれから8ヶ月。
2026年8月3日、高島農場で記念すべき初めての収穫が始まりました。
今日は、土づくりから初収穫までの道のりと、実際に採れた野菜が工場でどう扱われたのかをお伝えします。
いよいよ本格始動する「高島農場」 野菜原料の自社栽培がスタートします!
リスペクトが計画を進めてきた自社農場の完備が整い、
春からの作付け開始に向けた土づくりが遂にスタート!野菜原料の自社栽培に向けた第一歩を踏み出しました。
■ 田んぼの土を、畑の土に変えていく
昨年12月から始まった土づくり。
工場から出る野菜残渣を、12月に4回、3月に1回と、継続して土に還していきました。
年が明けて4月初旬にはトラクターで全体を耕耘。
5月中旬には苦土石灰を200kg散布し、いよいよ作付けに向けた仕上げに入ります。
ここで大きな壁になったのが、「元は田んぼだった」という事実です。
田んぼの土は水を張るための土。畑として使うには、まったく性格が違います。
そして何より、掘れば掘るほど石が出てくる。ひとつひとつ取り除きながらの畑づくりは、想像以上に骨の折れる作業でした。
栽培管理をお願いしているパートナー生産者さんは、こんなふうに話してくださいました。
「残渣を入れて、土の微生物が働くことで、田んぼの土から畑の土へと、ゆっくりではあるけれど変わってくると思っています」
ゆっくりではあるけれど。
この言葉が、高島農場の一年を言い表しているように思います。
土は一日では変わりません。
残渣を入れ、耕し、待つ。その繰り返しの先にしか、良い畑はないのだと教えられました。
5月中旬にマルチを張り、畝が出来上がったときは、ようやくここまで来たかという気持ちでした。
■ なぜ、この品目を選んだのか
6月初旬、いよいよ定植です。
選んだのは、マクワウリ・アオシソ・アカシソ。
いずれも使用量が多く重量のある品目ですが、実はもうひとつ、大きな理由があります。
それは、地元生産者様への依存を減らしていくことです。
リスペクトの野菜原料は、長年お世話になっている生産者様に支えられてきました。
私たちの取り組みを深く理解してくださっている、かけがえのない存在です。
ただ、その方々はご高齢でもあります。
「いつ引退すると言われても大丈夫なように」——その準備をしておくことは、原料を扱う私たちの責任だと考えました。
マクワウリ、アオシソ、アカシソは、これまですべてその生産者様だけにお願いしてきた品目です。
だからこそ、まずはこの3つを高島農場で育ててみることにしました。
また、発酵エキスに使う数十種類の原料の中で、使用量が1、2を争うのがキャベツです。
現在は生産者様にすべてお願いしている状態ですが、多く使う野菜こそ自社で作りたい——これは社長の意向でもあり、高島農場の大きな目標のひとつです。
■ 収穫前に、みんなでシンクをつくりました
7月末。収穫を目前に控えて、高島工場の外に洗い場を用意しました。
といっても、新しく何かを買ったわけではありません。
工場内で使っていた余りのシンクをそのまま持ち出して、外に設置しただけの簡易なものです。
それでも、置き場所を決め、排水を通し、ホースをつないで——と、みんなで少しずつ手を動かして形にしました。
収穫したものを、その場ですぐ水に浸けて洗える。
工場のすぐ隣に農場がある利点を活かすための、ささやかな準備です。
■ そして、初収穫
8月3日。 高島農場での、初めての収穫。
マクワウリの収穫は、たった一人での作業でした。
雨が降る前に採ってしまわなければならず、しかもエキスを採るためのマクワウリですから、収穫のタイミングの見極めが本当に難しい。
早すぎても遅すぎてもいけません。
それでも——「今回のマクワウリは、よくできた方だと思っています」。
手探りだった一年の答えが、この一言に詰まっている気がします。
【収穫実績】
・マクワウリ 8/4 約52kg + 8/10 約106kg = 合計約158kg
・アオシソ 8/4 約33kg
・アカシソ 8/6 約31kg
マクワウリは、鮮やかな黄金色のものや縞模様のものなど、3種類を収穫することができました。
アオシソ・アカシソは、入荷当日の朝採り。
みずみずしい葉物をそのまま工場へ運びました。
■ 「隣に農場がある」が、形になった日
採れた野菜は、その日のうちに工場へ。
マクワウリは前日に収穫し、当日は約60kgをパートさん5名で受入れ・前処理・漬け込みまで。
アオシソ(約33kg)とアカシソ(約31kg)は当日収穫、当日漬け込み。
いずれも計画通りに作業を完了することができました。
そして、現場からこんな声が上がってきました。
「当日収穫のものは、茎も柔らかくて、葉も新鮮で洗いやすい」
昨年の記事で「工場の近くで採れた野菜をすぐに搬入・加工できることは、製品作りにとって大きなメリット」と書きました。
それが机上の理屈ではなく、加工する人の手に伝わる違いとして返ってきたことが、何より嬉しい出来事でした。
■ 秋冬は、10品目のテスト栽培へ
高島農場の挑戦は、まだ始まったばかりです。
秋冬に向けては、カブ・ケール・コマツナ・シュンギク・セロリ・チンゲンサイ・パセリ・ホウレンソウ・ミズナ・メキャベツの計10品目を予定しています。
夏と同じく、いずれも現在は地元生産者様への依存が大きい品目です。
品目数は多いですが、各品目の栽培数量は少なめに設定しています。
栽培管理をお願いしている生産者さんと協議した結果、「高島農場はどの品目が得意なのかを見極めるためのテスト」という位置づけにしたためです。
初めての冬野菜ですから、まずは知ることから。
この一年は、種苗も育成も収穫も、経験を積み重ねながらの手探りの連続でした。
石を拾い、残渣を入れ、土が柔らかくなるのを待つ。派手さはありませんが、その一歩一歩が確実に土を変えています。
ゆっくりではあるけれど、田んぼの土は畑の土になっていく。
高島農場での播種、定植、収穫は、まだ始まったばかりです。
これからの成長に、ぜひご期待ください!